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営業している状態では最後の来訪となる加悦SL広場に行ってきました。
広場の存在は昨年ぐらいから意識して知っていたのですが、なんだかんだで来訪は閉館が決定した後になる3月6日でした。
28,29の土日にはさよなら運転会と称し、動態保存されているキハ101とDB201による体験試乗ができるイベントが催されました。新型コロナウィルスの感染拡大が懸念され、イベントは大幅縮小、全員着席・便指定乗車・乗車定員の半数以下で運行・マスク着用推奨という異様な光景が見られるイベントとなってしまいました。
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上:キハ101 下:DB201

僕はこれまでも、これからも「ラスト」と称されるイベントはむちゃくちゃ苦手で基本的に顔を出しません。ラストにしか来ない(来れないも含めて)連中は大抵マナーが悪いからです。最後を惜しむ気持ちはみな一緒だというのに、マナーの悪いアホのせいでそれまでの思い出まで嫌な気持ちで犯されてしまうのがたまらなく不愉快で口惜しいんですよね。この日も加悦鐡道保存会の皆さんからの注意事項を無視して立ち入り禁止エリアに三脚を立てたり、運転中の車両に触れようとする人がいたり、また特段の注意はありませんでしたがレール上空でドローンを飛ばしている者もいました(安全上の観点から密集環境やイベントを支障する場所での飛行は避けるべきです)。

しかしこのSL広場に出会って最初の運転会が最後のイベントとなってしまったので、貴重な2両の実働車に乗るべく、同業の友人を連れて訪れることにしました。もっと早く出会っていたかった…グチはこの辺にしておきましょう。

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朝。嫁より早く家を出て神戸市内某所にて待機。友人が朝9時半に仕事を終えるので、ピックアップしてそのまま出撃します。ちょっと早めに着いたので家でドリップして水筒にぶち込んできたコーヒーをすすりながら待ちます。
豆は母の知人が中煎りにしていたものを中細挽きで抽出早めに。すっきり飲めます。

泊まり明けなのになぜか元気な友人を助手席に乗せて、2時間ほど北へ。

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この日は晴れたり曇ったり、雨が降ったりと忙しい天気でした。入場券を購入したら構内に入ります。体験乗車の会員券は行列に並ばなければならないほどの盛況ぶりでした。3月6日に訪れた構内の様子からは想像もつきません。

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キ165がメインの写真しか近いものがありませんでしたが、折り返してズラッと4号機関車前のテントまで並んでいます。午前中の会員券は売り切れ、午後の部も発売開始が前倒しされる旨のアナウンスがあった為、観覧は後回しにしてとりあえず並ぶことに。

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上がSL広場の硬券風入場券、下が1回会員券
日付はデーティングマシンと呼ばれる昔の印字機でスタンプされます。

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裏はこんな感じ。たった3回の訪問で終わってしまうとは…
今回は感染症対策の為、会員券の整理番号によって乗車便が指定されます。僕は14時15分からの乗車となり、かなり時間的な余裕がありました。広場の隅でSLたちを眺めながら、赤松SAで買ってきたデイリーの焼き立てパンを貪って栄養補給。
新たに入手した加悦鐵グッズを車に押し込んでから構内を見つつ体験乗車に向かいます。

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新しく入手したグッズ。右の地域間急行車票と左の旧「加悦SLの広場」パンフレットは募金によって入手可能なもので、中上段の定期券セットは当時の通勤・通学定期券、中下段「よみがえる加悦鉄道」はNPO法人加悦鐡道保存会によって作成された冊子で、おまけでポスターを頂きました(ポスターについては閉園後来訪の折公開します)。

鉄道遺産級の車両たちについてはこれまでの記事2本をご覧くださいませ。


超歴史的鉄道遺産の行く末は…加悦SL広場
http://poppoemon.blog.jp/archives/22241006.html
http://poppoemon.blog.jp/archives/22249786.html


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さて、午後になり連結作業実演の時間になりました。

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保存会の皆さんの入換作業によって、DB201とキハ101が連結。
このあたりの旗合図は嫁ホイ俺ホイ案件です。好き

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実際に目で見ることをメインとしていたので写真や動画は雑なものです。連結の瞬間は目の前に割り込んで脚立を立てるボケがおったので自分の目でも見えませんでした。良い子のみんなはファインダーを覗く前に周りを見渡そうね。

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乗車位置から見て、先頭方がDB201、キハ101は牽引されて進行するのですが、単線の為折り返しは推進運転でDBに押されて戻ってくる格好です。
自分の番が来るまでハ4995客車の中から覗いたり

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キハユニ51の車窓からのんびり眺めたり。手前をミニ列車「ロケット号」がポーポーとけたたましく汽笛を鳴らして現役の転車台上を駆けぬけます。

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多客臨時列車という設定で、スタフと運転通告券を手渡すパフォーマンスも行われました。スタフ閉塞式は現在津軽鉄道と名鉄築港線でしか見られない閉塞方式で、現代では面白い光景かもしれません。
運転通告券は現在も各地で使われていますが、当務駅長から受領する光景は普段見られませんね。

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時刻表は黒板手書き、設定時刻になると発車ベルが鳴って車掌が扉を閉めます(手動)。


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最後部座席に乗りました。右に写っているのは車掌、撮影は連れて行った友人。木造床部はところどころ地面が見えて換気がよさそう今ではあり得ない姿です。


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運転席。左の大きなハンドルは手ブレーキ、右足下にあるのはクラッチペダルで、自動車のようにギアを変速して走ります。今回は無動力編成(DB201に牽引される)なので、残念ながら稼働する様子を見ることはできませんでした。 ちなみにDB201も手動変速。

いよいよ動き出し、片ボギーと呼ばれる1軸・2軸の車両はタッタンタンと特徴的なジョイント音をゆっくり響かせながら100mほど直進します。
そして帰りはDB201に押されて推進運転。後部に陣取ったのは、こちら側から先頭のような景色を拝むことが出来るからです。

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窓が泣いています。開閉可能な窓は開放して走行しているので、このまま雨脚が強まると窓を閉めて乗車体験は中止し客扱いなしの展示運転になる旨がアナウンスされていました。

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園内には桜や梅が咲いておりましたが、こうした光景が見られるのも最初で最後なんですね。

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ゆっくりと戻ってまいりました。
ありがとうDB201/キハ101。
ありがとう加悦鐡道。
2階の資料館を眺めてからSL広場をあとにし、旧加悦駅舎「加悦鐡道資料館」へ向かいます。


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駅舎は移転に伴い土台を浮かせて移動する"曳き移転"のかたちをとって現在の地へ動きましたが、本来の場所から見渡すと、そこが駅前であったことがすぐにわかります。


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といっても、この写真を見て「あ、駅前だ」なんて想像できる人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか…田舎で育っていないと、昔の鉄道写真を見たことがないとわからないようなものかもしれませんが。

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加悦駅付近の廃線跡はわずかながらサイクルロードになっており、レールを模した模様が描いてありました。先の方は砂利になっています…
資料館内部は人が多かったため、口数少なく足早に眺めて出てきました。タブレット閉塞機の実機が展示されていたり、実際に使われていた硬券や伝令者腕章・合図灯などが展示されていましたが、ゆっくり見ることはできず。 こちらは保存されるようですのでまた時間を見つけて再訪したいと思います。


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お次は丹鉄与謝野駅(旧北近畿タンゴ鉄道野田川駅・旧国鉄丹後山田駅)。
ここには国鉄→JRからKTRに移管されるまでの品々が収められています。


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丹後山田には加悦鐡道が乗り入れており、担っていたニッケル鉱石輸送はここから国鉄貨物によって送られていました。

関係ないけどDISCOVER→JAPANも
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丹鉄与謝野駅の入場券は軟券(うらの白いきっぷ)で、JRのように発券からの時間制限もありません。発券は15:06。腹も減ってきたので昼飯をつまんで帰りましょう。

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この阪急の静態車輛が目に飛び込んできたら目印、ももの木カフェ。実はここはカフェと関係なくてセカンドハウスとして某所の方が使っておられるんだとか。


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カレーをいただきます。喫茶店らしいカレーで美味いです。やわらかく煮込んだ牛肉がちゃんと質感を残して溶け込んでいる。サラダは女将さんが裏のキッチンでこしらえており、生野菜きざんだだけで…と思うかもしれませんが、手作り感の感じられる一品で僕は好きです。
おなかが満たされたところでコーヒーをぐいっと飲み干し、小倉商事の保養所にあるポールスターと阪急の切断体を眼下に見ながら帰宅しました。


加悦SL広場、今後の予定はまったく見通しが立っていないようで、閉館後もしばらくは車体が残されているかもしれないので、近いうちにもう一度訪れようと思います。次はまたバイクですかね。車で行くのはしんどかった。
本当に出会ってからわずか1か月で閉まってしまうのが惜しくてしょうがない、また何回でも訪れたい鉄道公園でした。いつかまたあの車両たちが間近に見られることを願います。


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ありがとうございました。